愛犬が椎間板ヘルニアになり、内科的治療を選択した人へ向けた記事です。
獣医さんに、愛犬を安静にして、といわれていませんか?
でも安静って、ピンときませんよね。
『ケージレストって具体的にどういうこと?』
『ヘルニアの手術の後、散歩していいのかな』
『犬がおとなしくしてくれない』
こんな疑問にこたえます。
安静とはなにかを知らないと、愛犬の様子だけをみて、散歩してしまうかもしれません。
なぜなら、内科的治療で痛みはとれ、愛犬はとても元気にみえるからです。
しかし、爆弾は抱えたままです。
ヘルニアの原因を取りのぞいていないからです。
爆弾が爆発し、愛犬の椎間板ヘルニアが悪化した場合、もう二度と元気な姿をみられない可能性もあるでしょう。
愛犬には、なるべく元気でいてほしいですし、具合の悪い姿を見続けるのは心が痛くなりませんか?
飼い主のあなたの行動だけが愛犬の安静にし、椎間板ヘルニアの内科的治療の成功率を高められます。
このページで具体的にわかることは
・ケージレストで椎間板ヘルニアを悪化させない方法
・安静が必要な理由
この記事を読み終えると、内科的治療中の愛犬を椎間板ヘルニア悪化のリスクから守れるようになります。
悪化による通院がなくなり、治療費も節約できるでしょう。
ケージレストで愛犬を安静に【悪化させないため】
ケージレストとは、愛犬をケージに入れた状態で休ませる方法。
椎間板ヘルニアに刺激を与えて悪化させないため、犬の動きを制限するのが目的です。
椎間板ヘルニアが悪化すれば、ケージレスト期間はもっと長くなるでしょう。
さらに、椎間板ヘルニアが治らない可能性もあります。
愛犬がずっと苦しんでいる状態、みたくないですよね?
本項目では、椎間板ヘルニアを悪化させないため、具体的なケージレスト方法を解説します。
ケージレストで、愛犬を安静にさせる方法6選
ケージの大きさを、動き回れない広さにする
寝返りのみができる広さにしましょう。
1歩や2歩くらいの前後の移動は可能。
しかし、上下の動きはさせない広さが目安です。
ケージの大きさを、犬の体格の1.5倍くらいにするのが理想です。
たとえば、愛犬の頭の先から、しっぽの付け根の長さが50cmであれば、奥行き35cm前後のケージが理想的な大きさでしょう。
ケージレスト中は、太りやすいので、体重管理をしっかりと
ケージレスト中は、太りやすくなります。
なぜなら、ケージレスト中は動きの量が健康時よりも減るからです。
しかし、食事の量は変えていないので、体重は増えます。
ブクブクに太ってしまうと、背中や腰に負担がかかり、椎間板ヘルニアの悪化になりかねません。
さらに、
・糖尿病
・心臓疾患
のリスクも高くなり、単純に寿命が短くなる研究結果もありました。
《参考》
Carina Salt Penelope J. Morris Derek Wilson Elizabeth M. Lund Alexander J
Association between life span and body condition in neutered client‐owned dogs
Journal of Veterinary Internal Medicine 2018年
肥満防止のため、獣医さんに愛犬の適正体重を聞き、食事の量を調整しましょう。
動きたくて仕方ない愛犬には、テーピングをする
具体的には、両手首をテーピングで軽くしばってあげる。
その際、肉球を合掌させるようにすると、重心移動ができなくなって、立ち上がりにくくなります。
縛るなんてかわいそうですが、椎間板ヘルニアが悪化してしまうよりはマシです。
愛犬には、また元気な姿に戻ってほしいですよね?
ケージの中で暴れたがる愛犬には、少しだけ鬼になりましょう。
ケージレスト中は、45分~60分に1回寝がえりを!
45〜60分おきに、両手で犬の四肢の足首をつかんで、コロリと寝返りをうたせましょう。
注意点として、背中や腰をつかむと、椎間板ヘルニアを悪化させる危険性があります。
寝返りをうたないと、愛犬が床ずれする可能性があります。
床ずれとは、皮膚が損傷すること。
皮膚の同じ場所に圧力がかかり続け、うっ血状態になるからです。
その損傷部位から、感染症になってしまうケースも考えられます。
ケージ内に敷く布団は、柔らかすぎず、硬すぎないもの
タオルを数枚重ねながら、愛犬の身体が沈みこみすぎないように調整しましょう。
敷物は柔らかすぎても、硬すぎても愛犬にリスクがあります。
たとえば、柔らかすぎる布団は、椎間板ヘルニアを悪化させるかもしれません。
身体がズブズブ沈み込み、愛犬の背中や腰が反ってしまうからです。
硬すぎても、皮膚が損傷してしまいます。
おむつを履かせる
おむつを推奨する理由は、動かす頻度を減らすためです。
たとえば、トイレシートをケージの中に敷く場合、取りかえないといけないですよね?
トイレの上で寝ているのは、衛生的によくないので、別の病気になってしまう可能性があるからです。
取りかえるときに、愛犬を動かさないといけません。
椎間板ヘルニアを悪化させないように、注意深く動かす必要があります。
しかし、獣医や訓練を受けた人間でなければ、難しい場合があります。
とくに、何も知らずに動かしてしまえば、知らず知らずのうちに椎間板ヘルニアを悪化させる危険性があるでしょう。
ケージレスト中の散歩は好ましくない
散歩が椎間板ヘルニア悪化の原因になる可能性があるからです。
内科治療によって痛みがなくなった愛犬は、散歩にいきたがるでしょう。
しかし、散歩していいかどうかは、獣医師にちゃんと相談しましょう。
ずっと寝たきりだと、筋肉もおちて、ストレスもたまります。
だからといってむやみに散歩させると、椎間板ヘルニア悪化の原因となります。
通院中に、いつの時期から散歩させてもいいか、獣医さんにマメにきいてみましょう。
サークルじゃダメ?【初期はケージレスト】
サークルでケージの代用ができないか、とおもいませんでしたか?
結論、できません。
なぜなら、愛犬の椎間板ヘルニアの状態により、ケージレストとサークルを使いわける必要があるからです。
たとえば、はじめて内科治療した後はケージレスト。
治療を続けて、獣医さんから健康のために少し動かした方がいいですよ、といわれたらサークル。
この判断は椎間板ヘルニアの重症度により決まります。
私は犬の様子をみて、重症度の判断をしてしまいそうです。
あなたも私と同じように重症度の判断を自分でしないでくださいね。
安静が必要な理由は、痛みしかなくなっていないから
内科的治療の薬で炎症が抑えられるので、痛みもスルスルとおさまってきますが、椎間板ヘルニアが身体の中に残っています。
薬で炎症を抑えて、椎間板ヘルニアを犬自身の免疫力によって、改善していくのが内科的治療の1つ。
しかし、安静にしていないと、免疫力によって改善する前に、椎間板ヘルニアの再発・悪化へ繋がります。
愛犬は自分が椎間板ヘルニアだと知らないので、痛みがなければ元気にトコトコ走り回ってしまうでしょう。
椎間板ヘルニア治療のため、飼い主のあなたが、愛犬の安静をきちんとコントロールしてあげましょう。
期間の目安は4~6週間
安静にする期間の平均は、4~6週間といわれています。
しかし、重症度が高かったり、椎間板ヘルニアの再発させてしまったら、期間は長くなります。
安静の期間を決めるのは、あなたではなく獣医師です。
たとえば、
ストレスが溜まっていそうなので、はやく愛犬を散歩させたい。
こんな気持ちになってしまいませんか?
私は早く愛犬の元気な姿をみたいがため、散歩をさせてしまいそうになるでしょう。
でも、獣医さんの指示を聞き、グッと我慢したいとおもいます。
悪化させない、再発させないために【予防が大切】
椎間板ヘルニアを悪化・再発させないために、ケージレストでの安静方法6選をチェックしてみましょう。
なぜなら、内科的治療で一時的に症状が回復しても、その約3割は再発の危険性があるといわれているからです。
安静に気を付けても再発の危険性があるのに、気を付けなければ3割以上の高確率で再発してしまいますよね?
たとえば、再発・悪化させてしまったら、ケージレストを続けないといけません。
長いケージレスト生活は、愛犬のメンタルにダメージを与えます。
もはや、椎間板ヘルニアだけの問題ではありませんよね?
そして、大前提として、椎間板ヘルニアさせないため予防が大事です。
再発・悪化させない対策にもなりますので、ぜひ下記の記事も参考にしてみてくださいね。