犬の飼い主としてのチェック義務【椎間板ヘルニアの初期症状】

『犬の歩き方がいつもと違う?』

『だっこのときに痛がってる?』

『これって、ヘルニア?』

 

愛犬が、こんな状態のときありませんか?

 

もしかしたら、椎間板ヘルニアの初期症状かもしれません。

 

椎間板ヘルニアはただ痛いだけではなく、犬の健康寿命を大きく縮小します。

 

愛犬には元気で過ごしてほしい、こんな気持ちをもっているのは私だけではないはず。

 

だからこそ、解決策として椎間板ヘルニアの初期症状について知っておきましょう

 

飼い主のあなたが、椎間板ヘルニアの初期症状を知らなければ、理由もわからず愛犬が苦しんでいく姿を目にしつづけるなんてことも。

愛犬は痛くても、椎間板ヘルニアだってわからないし、言葉にもだせません。



誰にも言えない、わかってももらえないし、どんどん痛くもなる。

愛犬の気持ちを考えると、心が痛いです。

 

このページで具体的にわかるのは

 

椎間板ヘルニアを早期発見できれば、愛犬が元気な生活を取りもどせる可能性があがります。

あなたの愛犬に元気でいてもらうため、犬の椎間板ヘルニアについての話、聞いてもらえませんか?

 

椎間板ヘルニアチェック【具体的な症状】

 

椎間板ヘルニアには進行度があり、グレード1〜5で示されています。

数字が小さいほど症状が軽く、数字が大きいほど症状が重いです。

 

初期症状にあたるのはグレードの1〜2で、獣医師により3も含みます。

飼い主として、初期段階で気がついてあげられると、病院で早期の治療ができて、愛犬が快適に過ごせる確率が増えます。




初期症状は抱っこで痛がる、ふらふらしている


グレード1の具体的症状
  • 抱っこを痛がる
  • 抱っこしたとき「キャン」と鳴く
  • 背中が痛いので、今までしていた運動(散歩)をしたくなくなる

この段階は鳴いたり、痛がったりと、愛犬の反応があなたへのメッセージとなりやすいときです。

あなたがこのメッセージを受けとれるかは、上記の症状を知っているか否かで決まります。

 

グレード2の具体的症状
  • ふらふら歩いている
  • 足を引きずるような歩き方
  • 何もないところでこけそうになっている
  • 触られたがらない(触ろうとすると威嚇する)

 

麻痺しているわけではないので、歩けます。

しかし、固有位置感覚がなくなってきています。

たとえば、足が地面についているかわからない状態です。




初期症状だからといって様子見はせず、病院に連れていきましょう。

なぜなら、椎間板ヘルニアは治療無しでは自然治癒しにくいからです。

 

椎間板ヘルニアが進行すると、痛みさえ感じなくなる

グレード3になる前に気がつき、愛犬を病院に連れていってあげましょう。

 

 

グレード4以上は麻痺が悪化した状態で、身体の表面から深部へ麻痺が進行していきます。

麻痺の進行で痛みは消えますが、痛み以外の感覚も消えているので、やがて動けなくなり、衰弱していきます。

グレード3の具体的症状

・歩けない

・前足だけで歩く

 

麻痺があるので歩けなくなりますが、まだ皮膚表面の痛みがある状態。

足先をつねると痛みを主張できる状態なので、チェックはできます。

でも、足をつねるなんて、飼い主として心が痛くなりませんか?

 

さらに足をつねると「引き込み反射」といい、痛みとは別の反射がみられます。

引き込み反射と痛がっているのを見分けるのは、獣医師ではない方には難しいです。

グレード4の具体的症状

ボタボタとおしっこが垂れている

 

麻痺が進んで、自分で排尿できなくなっているからです。

 

グレード5の具体的症状

自力で動けない

 

浅い痛みをまったく感じなくなっています。

たとえば、ペンチのようなものではさんだとしても何の反応もしません。

この段階では治療をしても回復する確率もかなり低くなっています。

 

さらに悪化すると、グレード5のうち約10%の犬がなる、進行性脊髄軟化症

進行性脊髄軟化症は、椎間板ヘルニアによって脊髄が損傷されるとおこります。

脊髄の損傷により、脊髄の細胞が死にます。

細胞の死は脳まで達し、数日~1週間後までに死亡。

2022年現在、進行性脊髄軟化症には治療法がありません。

 

ぜひ、椎間板ヘルニアで犬におこる症状を把握しておき、早い段階で病院の治療をうけさせてほしいです。



<参考文献>

犬の頸部椎間板ヘルニア 越後良介 北海道医療センター

椎間板ヘルニアって? 動物医療センター ALOHA 

ヘルニアの知識 エルムス動物医療センター

 

なぜ、症状が重いと回復できないの?【細胞が再生しないから】

 

椎間板ヘルニア神経細胞を破壊するケースがあり、破壊された神経細胞は基本的には再生しません。

 

近年、再生医療で治療できる可能性は残されています。
しかし、研究段階のものも多く、回復する確率も初期より低くなってしまいます。

 

初期症状で発見できれば、愛犬が元気だったころの生活を取りもどしやすくなります。
今日からでも遅くありません。

愛犬に椎間板ヘルニアの初期症状がでていないか、チェックしてみませんか?

 

《参考》

ヘルニアの知識 エルムス動物医療センター

 

病院にいくまでは安静

病院に連れていくまでは、できるだけ動かさず、ケージやサークルの中で愛犬を安静にさせておきましょう。

なぜなら、少しの刺激やきっかけで次のグレードへ進行してしまう可能性があるからです。

椎間板ヘルニアの予防が最重要

病気になったら治せばいいという考えは危険です。

治らないリスクを考慮していませんよね。

 

内科治療よりも外科治療の方が再発率と回復率は高いです。

外科治療は原因となった椎間板をとりますが、内科治療はそのまま中に残ったままだからです。

しかし、どっちの治療でも100%回復しないときもあります。

だからこそ予防が重要です




椎間板ヘルニアの初期症状に気がつくのは、飼い主としてとても大切ですが、そもそも愛犬が椎間板ヘルニアにならない方がよいとおもいませんか?